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Top Page > ラピスラズリ(連載中) > ラピスラズリ 162 瞳

ラピスラズリ 162 瞳

「……田島さんには、何も言わないです。」

「え?」




「…泣きついちゃうかもしれないし。
そんなのいやだし」

「…いいじゃん。泣きつけば。」

「…泣きついて…
苦しくなったらいやだし」



はっきりと明確に
想いを言葉にはできないけど

……これじゃあ、
好きだと言ってるようなもの?




田島さんは、雑炊を食べ終えて、
私のお茶碗を見た。


「無理しなくてもいいよ」

「すみません…じゃあ雑炊残します…」

「雑炊だけじゃなくて、他のこともな。」



そう言って田島さんはまた
煙草を取り出した。



優しくしないで。


こんな時に…




………

なんか、吐く?

一挙にヤバい感じが…





「田島さん…ちょっと、
横になってもいいでしょうか…」


先程は何も言わないだの
泣きつきたくないだの言ってたけど

こればっかりはマジの嘔気だし
言っておかなければ…




「えっ?
ああ、いいけど、
あ、ちょっと待って」

田島さんは
座布団を並べてくれて、
そこに横になる。


前、リバース騒動になった時は
萩原さんが介抱してくれた。


萩原さんのこと、
優しい人だと思ったんだけどなあ。
どこか温かさがあって、
きっとすごく好きになるって、
思ったんだけどなあ…


昨日みたいな事が
平気でできる人なら
いくら優しくても…




田島さんは、
私が横になってる頭の方に座った。


体を寝かせると少し吐き気が引いた。


彼を見上げてみたら、
心配そうに私を見下ろしていて。


その瞳から、
心配以上の感情が、
鈍い私にも伝わってきて、
胸が苦しい。


今飛び込んでしまったら
きっと元には戻れない。

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