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ラブホリック 209-わたしの名前。

築浅のすごくきれいなマンションだった。
とにかくきれい。
バスルームもおしゃれ。

「いいな〜!きれい〜!」

喜ぶわたしに、矢野さんが間髪入れず言う。

「狭いけど一緒に住む?」

「………通います。」

「(笑)。来てくれるならまあいいか。」

屈託のない笑顔に、
いつも以上にドキドキした。

こんなかっこよかったっけ。


矢野さんは自炊もしないので、
持ってきたのは服、テレビ、テーブル、
布団、レンジやポットぐらい。

もうダンボールから出して
設置完了していた。早い。

二人テーブルを挟んで向かい合い、
必要な物品のメモを取る。

「洗濯機買わないとなー…」

「わー!見に行きましょう♡」

「おまえ、オレよりウキウキしてるよな。」

矢野さんはそう言ってまた笑う。

おまえでも、ななちゃんでも、
別にいいんだけど…

「矢野さん、わたしの下の名前知ってますか?」

メモに向かっていた矢野さんの視線が
わたしを捉える。

「…ユキ。」


矢野さんはペンを置き、身を乗り出して
わたしにキスをした。


二人の間にテーブルがあったので、
一瞬だけのキス。

矢野さんはすぐに離れて座り直し、
またペンを持って続きを書き始めた。


「ユキちゃんは〜、
 へなちょこ君に何て呼ばれてた?」

「……名前ですが…」

「呼び捨て?」

「はい」


矢野さん、見るからに嫌そうな顔になる。(苦笑)

「同じの呼びたくねぇな〜」

「じゃあななちゃんでいいですよ」

「んー…うん。ま、考えよ。メモ完成。買い物行くか」

「はい。(笑)」

バッグを取り、
矢野さんの後ろをついて玄関へ。

「ユキ」

パンプスを履いている最中、
不意に呼ばれて笑った。

「結局呼ぶんじゃないですか。(笑)」

矢野さんも笑顔。

「ユキちゃんって清水が呼んでるしな〜。
 やっぱりオレも呼び捨てにしよ。
 彼氏の特権だもんな」

彼氏か…

まだあまり実感はないけど、
矢野さんから目が離せない。
気になって仕方がない。
声が聞けたら嬉しい。
顔が見れたらホッとする。

わたしを、もっと好きになってほしいって思う。

もっと矢野さんと、近付きたいと思う。

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