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ラブホリック 184-9月後半のクリニック。

「ななさんも矢野さんも本社だなんて…心細いです」
と栗栖さんがため息をつく。

「3ヶ月したら帰るよ〜」とわたし。

「そうなんですけど〜!
 やっぱりさみしいですよ〜!
 本社からトレードで来る方って
 誰なんでしょうね…うまくやれるかなぁ…」

栗栖さんがそう言いながら首をかしげると、
矢野さんは何かを言いかけてやめた。

…誰が来るのか知ってるのかな?

ちらっと矢野さんの表情を伺うと
目は合うものの、すぐにふいっと逸らされる。


また、子供みたいな態度を…(苦笑)


前にもこんなことあったな、と
懐かしみながら歩いた。


「じゃ、楽しんできてね!」

一人改札で立ち止まり、二人に手を振る。

「ななさん、お疲れ様でした!」
弾けるような笑顔の栗栖さん。

矢野さんは、目を逸らしながら、
「じゃあな。お疲れ」と手を挙げる。


わたしが改札に入ると、二人が歩き出す。
醜い感情を抑え込みながら電車に乗った。



クリニックの最寄駅で降りる。
ケイゴさんは、その目の前の薬局の中にいる。
中の様子は見えないけど。

気を取り直し、クリニックまで歩き出した。



まず採血。診察、薬の処方。
長期出張になる旨を伝えると、
紹介状を書いてくれた。

「採血は急ぎで検査に出しておくから、
 3日後に結果を聞きに来なさいね。
 薬は多めに出しておくけれど、
 結果次第で増減しましょう」


おじいちゃん先生はにっこり笑って続けた。


「いつ赤ちゃんが来てもいいようにしましょうね。」







ハッとした。





あの出来事を忘れてはいない。

あれから、2ヶ月足らずしか経ってない。



いろいろ心動く出来事があったにせよ、
ケイゴさんと離れようと考えている自分に
深い罪の意識を感じた。

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