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ラブホリック 180-告白。

なかなか眠れず、何度も寝返りを打った。
目を閉じると、さっきの情景が浮かぶ。

矢野さんの真剣な顔。
困惑するしぐさに、笑った顔。
心も奪われるような激しいキス。

思い出すと胸が詰まって涙が出た。


ほとんど眠れなかったが、朝は来た。
洗面の鏡を見て、一人で悲鳴をあげるほど、
目が腫れていた。

アイメイクがっつりして、
持ち歩いていたメガネをかけると、
何とかなった。(なってたんだろうか?)

矢野さんは朝から客先直行。
どうしてるのかな…と考えた。


部内ミーティングが終わり、
挨拶をして本社を出た。

新幹線で眠り、駅を降りて
支社に着く。
栗栖さんが駆け寄ってきてくれて
笑顔で出迎えてくれた。


情けないことに、
この日は仕事にならなかった。

急ぎの仕事を済ませて
定時そこそこで切り上げた。



オフィスを出て、駅に向かう。



わたし…どんな顔して帰るの?

ケイゴさんの前で、のうのうと
何もなかったような顔するの?


そんなこと、できる?


全ては自業自得。

頭の中に渦巻く迷いや罪悪感を
振り切るようにして帰った。



家に着き、ごはんを作る。

相手に全てを話すことが
正しいとは思わない。

このままケイゴさんと結婚するなら、
黙っていた方がいい。


夕飯を作り終え、ソファに座って
ぼんやりしていると、
ケイゴさんが帰ってきた。

自分のせいとはいえ、
逃げ出したいぐらいだった。

「ただいま〜。お疲れ様。出張どうだった?」

ニコニコしながら、わたしの隣に座る。
いつもと変わらない笑顔。

変わってしまったのはわたしだけ。




「…ケイゴさん。……結婚できない」



絞り出すように言った。

ケイゴさんは、無言だった。

そんな彼に、
畳み掛けるように言った。


「昨日の晩、ケイゴさんが電話くれた時、
 男の人の部屋にいたの」


「……え。ちょっと待って…。待って」


ケイゴさんは遮るように片手を出し、
下を向く。


夏の日、ケイゴさんが
後藤さんとのことを打ち明けてくれた時、
知らなければよかったと思った。

知らない方が幸せだと思った。

打ち明けるのは、
自分が楽になりたいからだろう、と
思っていた。



目の前に、うつむいたままのケイゴさんがいる。

わたしは今、なんて酷い事をしているんだろう。

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