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ラブホリック 178-あの日の夜のこと。

「あーあ。もう…」

と、身を起こしてまた顔を覆う矢野さん。
かわいいなぁと思った。


「今12時か…」

矢野さんが腕時計を見てつぶやく。

「送るか。顔洗ってきたら?」

矢野さんに促されて洗面に行くと
鏡に映る顔は、それはそれは酷かった。

思わず「うわぁー!ひどー!」と言うと、
向こうで矢野さんも笑っていた。

明日目腫れそうだな〜…
メガネかけよ…

大泣きして、気分は少し晴れたけど
寂しいことには変わらない。

ふーっとため息をついて顔を洗った。


タオルを借りて顔を拭き、洗面を出ると
下を向いていた矢野さんが顔を上げた。

「顔スッキリしたな。行くか」

矢野さんはまた、
携帯と財布をポケットに入れる。

そういえば、タバコがない?



「…あれ?矢野さん、タバコは?」

「今頃気づいたのか。
 やめたんだよ。すげーだろ」

「うそーっ!すごーい!」

「まだ数日だから、口寂しいけどな」

「すごいですね!
 次元ばりのヘビースモーカーだったのに!」

「次元ならかっこいいじゃねーか(笑)」

「矢野さんは
 かっこいい方だと思いますけどね…」

矢野さんは、ドアにかけていた手を外し
わたしに向き直った。



「もう一回言って」

「え?」

「『矢野さんかっこいい』って。せーの」

「復唱ですか?(笑)」

おかしくて吹き出すと、
体が近づき、ぎゅっと抱きしめられた。


「返したくねぇな。かっこ悪いな」

耳元に響く矢野さんの声。


「…かっこいいですよ」

抱きしめられた胸の中で言うと、
矢野さんの体が少し離れて、
また唇が重なった。

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