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ラブホリック 165-こぼれ落ちた本音。

カフェが併設されてるので、
意外とゆっくりできる場所だった。


薬局からケイゴさんたちが出てきたので
わたしもコンビニを出る。
雨は止んでいた。

佐藤さんは自転車、後藤さんは徒歩で帰る。

お二人とも近所なので、
歩いても距離は知れている。

「市川さん、こんな素敵な奥さんもらえて幸せ者ね〜」
と佐藤さんが冷やかした。

すると、ケイゴさんが傘をたたみながら、
「はい。おれにはもったいないぐらいなんですよ」
と言った。


社交辞令にありがちなフレーズだが、
思いがけず、キュンとしてしまった。

顔が赤くなったと思う。

「ラブラブね〜!いいことだわ!」

佐藤さんが豪快に笑い、みんな笑った。
たぶん、後藤さんも。
(見ていなかった)


二人に、お疲れ様でしたと挨拶して、
ケイゴさんとパーキングまで歩いた。

車に乗り込むと、ケイゴさんは
わたしの手を握る。


「ふふ。なに?」

笑って握り返すと、ケイゴさんは、

「ユキ。おれ、離れたくないー。」

わたしから顔を隠すようにうつむきながら、
そう言った。



このタイミングで言うの??


ケイゴさんは、顔を少しだけ上げて
こっちを見た。

「違うんだ。応援してるんだよ。
 行ってきたらいいと思ってる。
 離れたくないけど、
 行くなって言ってるわけじゃないんだよ」


ケイゴさんが、
わたしを思う気持ちが
言葉と表情から伝わってきた。

「なんて言えば伝わるんだろ…」

もどかしそうに言う
ケイゴさんを見ていると
胸がぎゅっと締め付けられるようだった。

離れて寂しいのは
わたしも同じだけど、
それをわたしが言うのは
違うと思い、言わなかった。



「ケイゴさん…わがまま聞いてくれて
 ありがとう。大好きだよ。」

言いながら、
涙が出そうになってしまった。
ケイゴさんは気づいてなかったと思う。

クリニックでも泣いてしまったので、
涙腺が緩みがち。(苦笑)

「……どういたしまして。
 おれも一緒に頑張るよ。」


ケイゴさんは、いつものように
困ったような顔で笑った。

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