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ラブホリック 158-お中元の時期。

翌日は休前日。
この日もケイゴさんが迎えに来てくれる。


朝の出社時、ビル1階の
エレベーターホールで、
どこからかわたしを呼ぶ声がした。

エレベーターをまばらに待つ人々も
「ん?」と顔を上げる。

「おい、ななちゃん!上!ちょっと来て!」

エレベーターホールは
吹き抜けになっていて、
上を見上げると、
2階の柵から矢野さんが
わたしを呼んでいた。

「な…なんですか!?」

「いいから来て!」
と無邪気に手招きする矢野さん。

困惑しながら、階段で2階まで上がると、
矢野さんが得意げに、
たくさんの箱を指差した。

「好きなの持って帰っていいぞー」

「ああ、お中元ですか」

何かと思った…。(苦笑)

「独り占めしてもいいし、
 管理部で分けてもいいよ。
 ほら、ななちゃんはこれだろ!」

大量のビール缶。(笑)

「いや…それこそ管理部で分けますよ。
 家でこんな飲めないし」

「さわやか彼氏は飲まないの?」

へなちょこからさわやかに
ランクアップしていた。(笑)

「彼は飲めませんよ。」

ノンアル数本とゼリー数個、
スタバのドリップコーヒーをもらった。

「そんだけでいいの?
 サオリちゃんにも持って帰ってって
 言っといて。」

「わたしから言うより、矢野さんから
 直接言った方が喜ぶのに…」


矢野さんは、怪訝そうにわたしを見た。



「なんでオレが喜ばせなきゃならねーんだ?
 わざわざ気を持たすようなことしたくねぇよ。
 めんどくせー」


矢野さんはそう言った後、
「あ、いい子だとは思ってるけどな。
 誤解のないように」
と付け足した。


わたしは心の中で
矢野さんを見直した。

矢野さんは、意外とちゃんとしてる。

見た目や言動で損してるところもあるけど…

ケイゴさんは、目の前で女の子に
泣かれたら抱きしめてしまう人。


「矢野さん…前(栗栖さんに)迫られて
 断ったんですよね。
 意外と理性ありますよね」

「どういう意味?褒めてんの?」

「はい。すごく」

「おまえに褒められるなんてこえーわ」
と笑われた。(苦笑)


確かに、皮肉は言っても、
あまり褒めたことないかも。(笑)


「さー。上がって仕事するか。」

「がんばりましょー」

お中元のおすそ分けを抱きしめ、
矢野さんとエレベーターに乗り込んだ。

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