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ラブホリック 147-知ってる香り。


家に着くと、ケイゴさんはいなかった。

帰る前にメールはしていた。
返事はなかったけど。

どこか行ったのかな?
お休みだし、地元に帰ったりしたのかな?


あまり深くは考えず、
のびのびとお風呂に入った。
元々わたしは、一人の時間が好きだ。


何も考えずに、目を閉じてぼんやりする。

至福の時間。
リラックスできて、心が安らいだ。


今夜はケイゴさんに優しくしよう。


お風呂から上がった少し後、
ケイゴさんが帰ってきた。

「おかえりなさい」

出迎えると、ケイゴさんは
困ったように笑い、目を合わせず
「ただいま」と言った。


「どこ行ってたの?」

「あー…ちょっと、誘われてね…
 なかなか帰れなくなっちゃった」

「ご飯食べたの?」

「まぁ、うん」

ケイゴさんは顔を上げない。



「誰と?」



尋ねる前に、すでにピンときていた。

ケイゴさんの服についたその香水の香りが、
誰のものなのか、知っているから。




胸が、ぎゅっと苦しくなったけど、
わたしに責める権利はない。


何も答えないケイゴさんに、
問い詰めもしなかった。


「お風呂、お湯あったかいから、入ってきたら?」

それだけ言って、一人で寝室に行った。



何かあったのかもしれないし、
ご飯食べただけかもしれない。

ケイゴさんの性格上、
言い寄られたとしても、
勢いで浮気することはない気がする。

まあ、それもあくまで憶測で
実際はわからない。

でも、目も合わせてくれないんじゃ
話し合うことすらできない。

聞いても黙られるなら、
話す意味がない。


限界を感じて、
声を押し殺し、肩を震わせて泣いた。

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