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ラブホリック 145-連休前最終日。

「屋外はあちぃな〜。」

「照り返しですかね??」

「もう禁煙しようかな…」

「いいですね!でも矢野さんには無理そう」

「なにー。オレはやれば
 できる奴ってことを知らんのか」


非常階段は暑かった。
日陰だけど、長時間はいられない。

アイスコーヒーでよかった。
始業前に全部飲み干してしまいそう。



「彼氏と仲良くしてる?」

と、矢野さんが尋ねてきた。

「まあ…はい」

答える時に、
喉が詰まるような感じがした。


「仲良くしててよ。オレがななちゃん
 諦められるぐらいに」

「………」


矢野さんが咥えたマルボロに火がつく。
ジッポの音は嫌いじゃない。


「…なんか言ってよ。オレ、寒いじゃん」

笑いながら矢野さんが言う。

ふわっと舞い上がる煙を見ているのは
嫌いじゃない。





「そんなに…わたしのこと好きですか?」



矢野さんの表情が一瞬止まった。


あ、これは言わないほうがよかった、

と思うのと同時ぐらいに、
矢野さんの胸に抱き寄せられた。


灰皿の上に捨てられた、矢野さんの
タバコの煙が細く上がっていた。





わたし、矢野さんのこと嫌いじゃない。




本社出張の時みたいな、
片手で引き寄せる程度じゃない。


両手で抱きすくめられて
シャツに頬が当たる。

矢野さんの匂いがした。

矢野さんの鼓動が響いて、
わたしにまで伝わってくる。

ドキドキして、気が遠くなりそうだった。


「そんなに好きですかって…
 好きだよ。何度も言ってるだろ」


矢野さんは体を離すと、
非常口のドアを開けた。

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