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ラブホリック 127-何も映らないエコー。

そして、二度目の産婦人科受診の日。

胎嚢がほんの少しだけ大きくなる。
赤ちゃんは見えない。

先生が「うーん…」と言うたび、
不安になった。

また1週間後に来て、とのこと。

またエコー写真をもらったが、
それを眺めていると
涙で滲んで見えなくなった。

ケイゴさんに写真を見せた。

「大きくならないの…」

「そうかぁ。のんびりしてるのかなぁ」

ケイゴさんは、笑顔だけど、
少し寂しそうに写真を眺める。


お盆に、両家の親と
食事会をすることに決まった。

妊娠したことはまだ親には伝えてない。
ケイゴさんとわたししか知らないことだった。

食事会が滞りなく済んだら、
入籍したいな、とわたしが言った。

「来月でいいの?おれはすぐにでもいいよ」
とケイゴさんは言う。

次の日彼が、仕事の合間に役所で
婚姻届をもらってきていた。


「結婚しよう」

と、笑顔で手渡された婚姻届。

涙がこぼれた。



3度目の受診日の早朝。
ひどい腹痛と、大量の出血。
これはダメだと思った。

自分でも、薄々覚悟を決めていたのか、
取り乱さず落ち着いていた。

会社に休む連絡をして、朝から受診した。

ケイゴさんも休みを取って、病院に
付き添ってくれようとしていたが、断った。

今思えば、素直に
甘えればよかったのに。

当時のわたしは、自分でやらなきゃ、
しっかりしなきゃと思っていたんだろう。

仕事と同じように。



エコーには、もう何も映らなかった。
先生は「きれいに出たんだね」と言った。

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