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ラブホリック 112-憔悴。

栗栖さんは最後まで、
矢野さんの好きな人の名前は明かさなくて
わたしも追及しなかった。

わたしに彼氏がいることを、
栗栖さんは知っていたし、明かしても
仕方ないと思ったのかもしれない。
もしくは、矢野さんへの配慮か。


店を出る前に、栗栖さんが
「仕事、無責任なことしてすみませんでした」
と謝ってきたから、今回だけね、と許した。

栗栖さんと別れ、電車に乗る。
時刻は19時過ぎ。

ケイゴさんちに直行、と考えていたけど
一度自宅に戻ることにした。



ケイゴさんはマンション前で
待っていてくれた。

明日も仕事だから、と、わたしの家に
泊まってくれることになった。

「おかえり。疲れた?」
いつもの彼の笑顔。

家に入って、抱きしめてもらった。
なんて落ち着くんだろう。

彼の胸の中で目を閉じていると
急に疲れがドッと押し寄せて、
立っていられなくなってきた。
頭も痛い。

リラックスできる服に着替えて、
ベッドに横になるわたしを
ケイゴさんは心配そうに見ていた。


「ケイゴさん、ぎゅってして」

ケイゴさんは、ベッドに入って
添い寝しながら、わたしを抱きしめた。
彼の匂いに癒される。

ケイゴさんが、ぽつりと言った。

「ユキ、仕事頑張りすぎだよ…」

「………」

つきあう前、投薬の時に言われたな。

「お仕事頑張りすぎないで下さいね」って。

あの時は素直に嬉しかった。

でも…今日はあまり嬉しく思えない。


ケイゴさんは続けて言った。

「もうちょっとセーブするとかさ。
 人に振るとか…。
 このままじゃ引越しもできないよ?」


ケイゴさんが、心配を
してくれていたのはわかる。

わたしも、他人事なら
そう言ったかもしれない。

でも、わたしが働いてる状況も知らないのに
口出しをしないでほしかった。



余裕のなかったわたしは、
ケイゴさんの言葉に
追い詰められてしまった。

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