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ラブホリック 037-彼の助手席。

駅から自宅までの道を歩く。

この日は金曜だったけど、
ケイゴさんは土曜も出勤だから、
会うのは毎週土曜の午後から。


薬局の電気は完全に消えていた。

もうおうち帰ったのかな。
自転車もない。
メールはきていなかった。

わたしがアサミと飲むって送ったから
遠慮してくれてるのかもしれない、
と思った。


パーキングから車が出てきて、
立ち止まると、ケイゴさんの車だった。

声をかけようとしたら、
隣に女性が乗っていたのでやめた。

ケイゴさんは、
わたしに気づいたのかわからなかった。
車は止まらず走って行った。


女性は同僚の薬剤師さん。
見たことある。

わたしと同じ歳ぐらいの、きれいな人だ。


遅くなったから送るのかな。

あの助手席に誰か乗っていることが
少し寂しくて、もやもやした。


その晩はひどく気分が悪くなった。
お酒は、嗜む程度しか飲んでいなかったのに。

お風呂から上がり、
スキンケアもそこそこに、
ベッドへ倒れこむ。

布団にくるまり、目を閉じた。


スマホはずっとバッグの中。
サイレントにしていた。


わたしを心配した彼のメールが
夜中たくさん入っていたことに
翌朝気づいた。


体が重い…
頭が回らない。
とにかく眠い。


持病の症状に似てるけど、PMSかもしれない。

メールを返信する気力もなく、
いつもの薬だけ飲んで、また眠りについた。


しばらく経つと、意識の向こうで
インターホンの音が聞こえた。


…誰か来た?


のろのろと出てみると、
ケイゴさんだった。



すっぴんパジャマ姿で、ドアを開けた。
ケイゴさんはすごく心配していた。


「大丈夫?連絡取れないから、
 仕事終わって直接来ちゃったよ…」

「ごめんね。連絡できなくて…
 なんか調子悪くて」

「いいよ、寝てて。
 おれこそごめんね、突然おしかけて」


ベッドに横になるわたしに
布団をかけてくれる。

子供を寝かしつけるように
布団の上からトン、トン、としてくれた。

心配そうに覗き込むケイゴさんの顔に、
すごくホッとした。

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