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ラピスラズリ 23

ちょっと私が背伸びすれば、
ちょっと田島さんが屈んでくれたら
キスしちゃってもおかしくないくらいで
言葉を続けられなかった。



「ダイヤモンドかと思った」
と耳元で彼の声がした。


「こんなに大きかったら高いですよ」

ふふっと笑ったら、
田島さんが微笑んだけれど、
その瞳はどこか切なげに見えた。


そんな目で、見ないでほしい…


勘違いしてしまう。




私と田島さんには、何も…ない。


きっと、馬鹿な私の自意識過剰だ。
そうだといい。



田島さんがぐっと寄ってきた。
後ろから押されているらしい。



ずっと支えてくれていた肘が
重みに耐えられなくなり、
私と田島さんはまるで
抱き合うかのような恰好になる。

彼の吐息が耳に掛かり
私の吐息は彼の胸に掛かる。



早く駅に着いてほしい。

彼の瞳を見たら
何かが狂ってしまいそうだった。
彼の体から感じる雄の温度が怖かった。



駅に着き、田島さんを残して降りた。
田島さんは次の駅で降りる。

「お疲れ様でした!」

ホームから頭をさげると、彼が
お疲れ、と口を動かしたのが見えた。

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