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ラピスラズリ 22

押し流されても、電車にはまだ乗れなさそう。
田島さんは離れそうになる私の腕を取った。


引き戻されて田島さんに体を寄せる。
朝と違う、煙草の匂いが混じった匂いに
いろんな想いが手繰り寄せられる。


煙草を吸うのも
奥さんがいるのも、
全然知らなかったなあ…


激しい人の往来に留まりながら、
3回目に来た電車に乗ることができた。

ドア付近だから、押しつぶされそうな
圧迫感だけど、田島さんがドアに手をついて
私に隙間を作ってくれた。


それでも、徐々に体は密着してゆき
そっぽを向くように顔を横に向けた。

朝より密着してるし…
田島さんも、落ち着かないみたい。





ハーフアップで使っていたヘアクリップが
ドアの窓ガラスにコツンと当たって、
頭を動かした。

「あ、狭い?」

田島さんは気を使ってくれたけれど
体を離せる状態ではなく
私の太ももは彼の膝の間に挟むような形。


「髪のが…ガラスに当たっただけです」


ジルコニアが付いた小さめのクリップ。
田島さんがドアに肘をつきながら
そのクリップに触れた。

「キラキラしてる。これ何の石?」

「ジルコニアっていう…」


説明をしようと顔を上げたら、
すごい至近距離に田島さんの顔があって
びっくりした。

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