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ラピスラズリ 303 引きちぎれるように

「すぐには行かないよ。
4月から海外事業部に移って、
それからずっとシンガポールだって。

12月の終わりに
一度帰ってこれるらしいけどね」



転勤……海外……

ピンとこない……


田島さんも口数が少ない。

その横顔を見ながら、
どうにもならないやるせなさを覚えた。




もう…

会うべきではないんじゃないの?

これで、終わらせるべきなんじゃないの?


今日が……最後の

終わらせるチャンスかもしれない。




いくら好きでも、

だめなことってあるんだよ。





「田島さん……」

「ん?」

「もう、終わりにしませんか?」

田島さんは、私を見ているだけで
何も答えようとはしない。

「田島さん……」

承諾も、否定もせず
私を抱き寄せ、キスをする。

やっぱりずるいと思いながら、
夢中で抱き合い、
田島さんの腕の中で、
背筋を逸らして甘い声を捧げる。


会うのはこれで最後。
もう、会う事なんてない。


「好き」と言いそうになるのを堪えて、
ただ大好きな人にこの身を捧げる、最後の時間。

誰かを傷つけてまでする恋なんて、
早く捨ててしまわなければ。


そんなことわかってたのに、
心が引きちぎれそうに痛い。

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