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ラピスラズリ 301 体の関係

仕事が手につかない。

4月からは田島さんと離れる。
シンガポールにいつまで行っているのかもわからない。

いや、期間が問題なんじゃない。
待っていたい気持ちはもちろんあるけれど、
私は、待てる立場にもないのだ。


「おはよう」

田島さんが出社した。
楠さんや他のメンバーが、田島さんに声を掛ける。

シンガポールという単語が聞こえてきて、
耳を塞ぎたくなった。

田島さんは笑いながら、
みんなと話している。


田島さんは、きっと、前から知っていたんだろう。

シンガポールに行くのがわかっていたから、
思い出作りで私を抱いたのかな。

一言ぐらい、言ってくれてもよかったのに……。


ああ、そうか。
私は話す価値のない相手なんだ。
所詮、体の関係で結ばれてるだけなんだから。



今にも泣きだしてしまいそうだった。

「山下さん。俺昼から外出だから…」

田島さんは、いつもと変わらず
依頼をしてくるが、
私の表情を見て、一瞬踏みとどまった。

私の酷い顔に気付いたのだろう。

「スケジュール入れればいいですか。
社用車を取るのでしょうか。
資料はもうデータ送ってますが」

「………違うよ。
車はもう取ったし……」

田島さんの声が困っている。

こんなところで泣いたら、
何もかもバレてしまう。

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