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ラピスラズリ 295 愛情と欲情

こんなにも意思が弱い。
離れる決意はどこに行ったの。

あの決心に、何の意味があったの。


お酒の力を借りて、
本音なのか、欲情なのか
わからない言葉を吐いて、
ソファの上で、体を近づけて唇を重ねる。

煙草とお酒の混じった田島さんのキスに、
抗う力もなくして、背中に腕を回す。

すると、田島さんはもっと深く
何かを探すように口づけをする。

頭の奥が痺れて、何も考えられなくなる。
背中に回した腕が、ずるりと落ちた。

その時やっと唇が離れて
私は呼吸を許される。


「……俺の部屋に」

いつもと違う少しだけ掠れた声が、耳を擽る。
その誘いに喜びと失意を抱きながら頷く。

同じことの繰り返しから抜け出せない。




年末ぶりに来た田島さんの部屋は、
やっぱり何もなくて、殺風景だった。


その寂しい部屋で、
ひとつずつ、脱がされる。

肌を隠そうとする腕は、
田島さんの手で強くシーツに縫い止められ、
隠すことは許されない。


田島さんの瞳の中を覗き込む。


「……どうしたの。じっと見て」

「ううん……」


愛情と欲情はとてもよく似ている。

その瞳から、
少しでも私への愛情が見つけられたら、
今はそれでいいから。

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