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ラピスラズリ 285 饒舌

「はい。いつも仕事ありがと」

「いえ、ご迷惑ばかりおかけして…
ありがとうございます…」


コンビニを出たところで
オレンジジュースを渡される。

自分の袋にそのパックを入れて、
もう一度頭を下げた。


「本当にがんばってると思うよ。
楠さんも手懐けたじゃん」

「手懐けたって……」

「楠さん……あの人、
ややこしいことばっかり言ってるし
敵にしたら面倒だから、
ちゃんとぶつかってよかったんじゃない」


楠さんの本当の信用を手に入れるには
まだ時間はかかるだろうけれど、
やれるだけやらなきゃと思っていた。

それを田島さんに認めてもらえたのは
嬉しいものだった。


「田島さんから指摘されたことを
思い出したんです。

“いつも自分は被害者って顔してる”
って、そんな自分ではいたくないなって…」


褒めてもらえて嬉しくなってしまったのか、
エレベーターの前で饒舌に語ってしまう。

田島さんは何も口を挟まずに、
じいっと話を聞いてくれている。


「はっきり言わなきゃ何も変わらないって、
田島さんが教えてくれたようなもので…」

あれ…
私、しゃべりすぎかな。
田島さんは何も言わない。

「すみません、ぺらぺら話して…」

「そんなことないよ」

エレベーターが来て乗り込む。
ボタンを押して、自分の手に提げた
コンビニ袋に目が行った。

私も田島さんに、感謝してることを伝えたい。

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