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ラピスラズリ 282 機転

「あー……いいや。
とりあえず、資料頼む」

「はい……」

田島さんは、踵を返して席に戻って行く。

答える隙がなかった。
地元の友達なんだけど…。

さっき、匠君と
お蕎麦屋さんにいたのを見たのかな。

なんで聞いてきたんだろう…。

パソコンに向かいながら
田島さんが一瞬見せた気まずそうな顔を
思い出して、指が止まる。

…もう。
気にしたくないのに。


ちらりと田島さんの席を確かめると
梶さんと何か話している。

そうだ。私も仕事しなきゃ。
頼まれたことの責任をしっかり果たさなきゃ。



「山下ちゃーん、これお願いできる?」

楠さんが持ってきた依頼。
いただいて内容確認する。

えっと…。
これは自分でやるものじゃなかったっけ……。

個人で作成して提出する運用になったはずで、
岡田さんからも引き継ぎを受けていない。

「あの、これ…
個人で作成するんじゃなかったですか?」

「そうだっけ。
でも、岡田ちゃんはいつもやってくれてたよ」

「え…」

そう言われると。

「やっぱりだめだなー。山下ちゃんじゃ。
機転が利かない奴は使い物になんないな。
岡田ちゃん戻ってきてくれたらいいのに」

「……すみません」

「ま、いいよ。今回は自分でやるけどさ。
俺らの時代は先輩の仕事断ったりしなかったよ」

「……すみま…せん」

楠さんは、私の手から資料を取ると、
明らかに不満そうに戻って行った。

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