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ラピスラズリ 280 同級生

2月に入った。
岡田さんはもういない。

空きデスクが目に入るたび
切ない感情が湧くけれど、
早く一人立ちしなければと
張りつめながら働いていた。



ランチの時間になり、
匠君からLINEがあった。

『駅前のコンビニで待ってるよ』

駅の裏側のコンビニ。
冬は、田島さんと見たクリスマスツリーがある、
あの場所だ。

了解のスタンプを送り、
バッグを肩に掛けて事務所を出る。

ちょうど、エレベーターで萩原さんが上がってきた。

「おお。外に飯行くの?」

「はい」

「珍しいな」

萩原さんの手には、
●●エンジニアリングと明記された
パンフレットがある。

匠君の会社だ。
やっぱり萩原さんあてに来てたんだな。

「行ってきます」

そのままエレベーターに乗り込み、
足早に駅前まで向かった。


匠君はコンビニ外のベンチに座っていた。
この寒いのにー!
慌ててダッシュで駆け寄る。

「匠君!ごめんね、待たせちゃって。
さっ……寒くなかった?」

「大丈夫だよ。
それより、そんな走らせて悪かったな。
息切れてるじゃん」

「え……あはは。運動不足で……」

「そんな感じする」

ひ、ひどい。確かに体重は
増え気味かもしれないけど。

「えっと。どこ入ろうか」

「どこでもいいよ」

と答えて、はっと口を押さえる。

「『どこでもいい』って言われたら
匠君も困るよね…」

「いや、俺もどこでもいいから
困んないけど。ビル入ろうか」

寡黙なイメージだった匠君。
今も変わらず、動じない感じ。

私も、こんな感じでいられたらいいのにな。
つい、人の顔色を窺うような真似をしてしまう。

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