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ラピスラズリ 276 終わった関係

「ちょ、ちょっと私トイレに」

「いやあ、俺も泣きたいよ!
寂しいよね!うんうん」

わしっと肩を掴まれて揺らされる。
酔っ払いー!

すると、田島さんが後ろから、
「触ったらアウトですよ」
と、楠さんの手を払った。


楠さんは「怖いこと言うなよぉ」と
言っていたけれど、
私は後ろを振り向けなかった。



温かい雰囲気で送別会は終わり、
店を出て岡田さんと握手する。

「がんばってね。
また温泉行こう。若旦那のとこに」

「絶対行きます」

「飲みにも行こう」

「行きます。絶対に…」

「あー。これ以上はやめとこっか。
私も泣いちゃうよ」

二人で涙目になって笑い合う。


「またね。連絡するから。
梶のこともよろしくお願い」

「…はい」

「頑張るんだよ」

「はい。岡田さんも……」


岡田さんは、いつもみたいに優しい笑顔。
他の人に話しかけられて行ってしまった。


その後ろ姿を見届けて、
駅へ向かおうと歩き出す。

明日から、一人でがんばらなきゃ。



「おーい。帰んの」

田島さんが駆け寄ってきた。

「…あ、はい。田島さんもお帰りですか」

「うん」


同じ電車だとすると、
今日は自宅に帰るのかな……。

会社の近くのマンションだと、
ここから反対方向だし。


そんな余計な詮索、もうやめたい。
疑うような、探る感情は消してしまいたい。

もう、終わった関係なのに。

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