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ラピスラズリ 248 田島編

今思えば、あれが俺の分岐点だ。
あの時、誘いに乗らなければ……。


昔を回想しながら
いつもと変わらない、
満員電車に乗り込む。


ぞっとするほど人が乗っている満員電車だが、
偶然山下さんを見かけた。

山下さんが立っている隣に流れ着く。


「おはよう」

彼女は、ぱっと俺の方を見て
恥じらいがちに微笑んだ。

確信はないけど
リアクションに、つい
俺に気があるのかなと思ってしまうんだけど…
自意識過剰かな。


「!」
「きゃ」

すると、後ろから人波に押され、
山下さんを抱きしめるような形で収まった。

彼女の持っている吊革を握り、
ぐらぐらしている彼女の腰を
無意識に引きよせる。


こんな至近距離で見つめあうわけにもいかず
かろうじて顔だけは逸らしていたが
彼女の柔らかい抱き心地には
危機感を覚えた。

つーか、胸が……。

こんなとこで興奮してると知れたら
痴漢、もしくはセクハラで
訴えられても勝てねえな。


しかし、いい匂いがするな。
なんかつけてんのかな……。


彼女は俺の胸の上で、ぎゅっと
握りこぶしを作っていて
それを見てると、守ってやりたいような
甘酸っぱい感情がよぎった。



駅に早く着いてくれと思いながら、
彼女と密着していたい
変な心持だった。

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