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ラピスラズリ 240 田島編




書き始めた当初から

行き当たりばったり作品のラピスラズリですが、

執筆の気分転換に、田島さん編を始めてみます。


時は、瑠璃が派遣されてきた頃に戻ります。



--------



佑香は、今日も帰ってこなかった。
実家に戻っていると連絡が来たのが、
夜中の12時前。

仕事から帰ってきた俺は、
シャツの胸ポケットから、
タバコとライターを出して
ダイニングテーブルに置いた。


妻である佑香からは、
「禁煙しろ」って再三言われてるけど、
のらりくらり交わしたまま達成はできていない。

家で、佑香がいる前でだけは吸わなくなったぐらいだ。


夫婦仲は、随分前から冷めている。


とは言え、浮気や不倫をしているわけじゃない。
タイプの子がいれば、男だから目で追ってしまうし、
向こうから来たらいろいろ考えるが、
それを実行に移すかどうかは、また別だ。


煙草を取ろうとしたが、やめた。

シャワーを浴びて、
ダブルベッドで一人寝ることにした。





――翌朝。


「はじめまして。派遣社員の山下です。」

「あ、はい。田島です。よろしくお願いします」


梶さんが連れてきた派遣の子。
誰かに似てると思いながらも、
それが誰かはすぐには思い当たらない。


「この田島が、うちの課で一番忙しいの。
君の業務は部内の庶務と彼のアシスタントかな。
図面作成や、簡単なスケジューリングまで」

「は、はい」

この子……
梶さんの浮かれた説明を聞きながらも
ガチガチに緊張してるように見えるけど…。

前の派遣の人は3ヶ月で辞めてしまった。
思っていたのと違う、という理由で、
気づけばいなくなっていた。



「あの、田島さん、
これからよろしくお願いします!」


けなげに頭を下げる彼女に、軽く頭を下げる。

大人しいし、なんか不器用そうだけど…
この忙しい時に、足手まといにはならないでほしい、
と思っていた。


俺のアシスタントなんかいらねえけどな。
信用ならない相手なら、自分でやったほうが早い。




それから数日経ったある日。
同期の萩原と打ち合わせ後、
休憩スペースで一緒になった。


「コンサル、派遣ちゃん来たの?」

「ああ。来たね」

「お前好きそうだよなー。ああ言うの」

「は?どこが」

「マリに似てね?」


言われてみれば、顔は似ているかもしれない。
ちょっとたぬき顔っぽいところも。
でも、服装も中身も違いすぎるし、
タイプだと思って見てはいなかった。


「垂れ目で、抱き心地よさそうな女な?」

淳の下品な言い方に、つい舌打ちをする。


「うるせえな…。俺は結婚してんだよ」

「好きでもない相手とよく結婚できるよな」

「俺につっかかんのやめろ」


淳とこれ以上話すのは無駄だ。
端末を持って、事務所に戻った。



あの子がマリに似てるなら。
淳だって、気になっているはずだ。

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