Clarice Fantasy

大人の女性向け恋愛小説置き場。たまにR-18
           

ラブホリック 409-最終話。

新生児時期は慣れない育児も楽しみ、生まれた喜びに涙するほど幸せだった。産後1ヶ月頃からは思い出したくもないほど体調が悪化した。持病が暴走したのだ。最悪だった体調がやっと落ち着いたのは出産から1年後。その間、矢野さんとは数えられないほど衝突した。いわゆる産後クライシスだったのかと…矢野さんは、今でも「暗黒の時期だった」と言っている…体調が落ち着いたころには再びまた仲良くなり始めていた。今考えると、一方...

ラブホリック 408-我が子が生まれた冬の日のこと。

その時矢野さんはどうしていたのかあまり記憶にない。立ち会い分娩だったので、分娩台の隣にいたのかも。飲み物を飲ませてくれたのは少し覚えている。最後までいきみたい感覚もなく、「いきんで」と合図されてもいきみ方がよくわからず、悪戦苦闘していたが分娩台に乗ってから2時間で何とか生まれた。「お疲れさま!女の子だよ!」助産師さんの声とともに、ほにゃ~…と泣き声が聞こえる。本当に赤ちゃんがお腹にいたんだ…というの...

ラブホリック 407-今日産みましょう。

34週あたりまで安静生活は続いた。その頃になるとドクターに「もう赤ちゃんも体出来てきてるから、動いてもいいよ」と言われる。妊娠糖尿病は家で1日7回の血糖値の自己測定はあったが、食事でコントロールできていた。持病の方は、妊娠すると寛解し、産後に憎悪するパターンが多いらしく妊娠中は薬で数値さえ保っていれば特に気になる症状はなかった。というか、常に息切れしてるし耳が塞がったような感じがしたり相変わらず歩い...

ラブホリック 406-性別判明。

性別もほぼ確定した。技師さんがエコー検査室で、おまけで教えてくれた。性別を知った途端に、なぜか本当に赤ちゃんがお腹の中にいるんだとすごくリアルに思えたのを覚えている。病院から家に帰るタクシーの中で、矢野さんから着信があり、スマホを耳に当てた。「もしもし。マサキ?やっぱり赤ちゃん、女の子だったよ。」スマホの向こうから、大きな笑い声が聞こえてきた。「女の子か…思春期には嫌われんのかな…」矢野さんは、帰宅...

ラブホリック 405-孤独な安静生活。

安静生活が始まってからは、また落ち込みがちになった。アサミともたまにメールは交わすけど、育児に忙しいし、なかなか難しい。栗栖さんも連絡くれたりするけど、他の友達も、平日はみんな働いている。孤独だった。外の景色がみたい。普通の生活が送りたい。そんな欲求が常につきまとう。合併症の方の受診も月に一度になり、病院に行く機会も減った。それすらも残念に思うほど、外の世界に憧れた。つわりの時期も本当につらかった...

ラブホリック 404-自宅安静開始。

そして20週のころ。子宮頸管が短くなっているから、安静にと言われた。あるはずの長さが平均の人の半分しかない。そういえばお腹がよく張っていた。次短くなっていたら入院。とりあえず自宅で安静にしてと切迫早産についての紙を渡され、自宅ではトイレ以外は横になるよう指導された。フラフラして動けないだけじゃなく、動いてはいけないことになった。またつわりの頃のように、ベッドの上の生活に逆戻り。ろくに出勤できない状態...

ラブホリック 403-血糖値。

サンドイッチは一口も食べられなかった。手強いつわりは消えてはいなかった。それでも矢野さんの気持ちが嬉しかったし赤ちゃんが無事でいてくれただけでもうそれでよかった。一番大事なものはここにある。そう確信した。翌週、12週の妊婦健診と持病の診察があった。この日は矢野さんが休めず、実母がきてくれた。つわりで7kg痩せていたので、わたしの姿を見た実母が驚いていた。「無理にでも食べなさい」と言われいろいろ食べやす...

ラブホリック 402-お母さん、ここにいるよ。

内診台に座り、ひたすらドクターを待った。新たな出血はなかったが、脱ぎ捨てた衣類にはさっきの様子が残っている。どうかお願い、と祈る気持ちでいっぱいだった。「お待たせしました、赤ちゃん見てみましょうね」物腰の柔らかいお若いドクターがやってきた。出血時の様子や具体的な症状など話しながら、ドクターと一緒に画面を見ながらエコーが始まった。「…あ。いるいる!」ドクターの声がして信じられない気持ちで画面を食い入...

ラブホリック 401-救急外来へ。

※ショッキングな内容を含みます 苦手な方は読まないでください腹痛はない。サラサラの鮮血が床一面に広がった。動揺して立っていられなくなり、その場にへたり込む。前回のことが脳裏をよぎり、一気に冷や汗が出た。どうしよう。どうしよう…その時、足音が聞こえて乱暴にドアが開いた。血まみれのフローリングに座り込んでいるわたしを見た矢野さんは、一瞬立ちすくむ。「マサキ…だめかも…」力ない声で言うわたしに、矢野さんは「...

ラブホリック 400-点滴効果終了。

※ショッキングな内容を含みます 読みたくない方は飛ばして下さい。ポカリを少し飲んだらちょっとだけ浮上した。でもすぐ急降下しそう…「仕事、なんか気がかりなことないの。 サオリちゃんでもいいけど、オレも聞くし」と、矢野さんが栗栖さんのイスに座る。「あ、栗栖さんに妊娠のこと言ってたんだね」「そりゃー…まあ、この休み方じゃ気付くだろうし… 勝手に言ったのは悪かった」「ううん…っていうかもう無理、 トイレ行って...
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